5月も半ばを過ぎ、新緑が美しいどころかすっかり夏日のような陽気になってきました。5月と言えば、私たち日本人にはうれしい日本茶の新茶の時期です。摘みたての新茶もだんだんと市場に出回ってきたようですね。お茶の通の方の中には、お茶は秋まで寝かせてしっかり熟成させた方が旨味も出て一層美味しいとおっしゃる方もいますが「新しもの」には目がない方のほうが実際には多いのではないでしょうか?新茶ならではのさわやかな風味や美しい緑色など、初夏の風情を目と舌で味わえるのはなんとも心地よいものです。というわけで、これからの季節にぴったりの茶葉と冷茶の作り方をご紹介します。

 日本茶には玉露や煎茶、番茶など、その仕上げ方やグレードなどによって種類がいろいろありますが、私がおすすめしたい冷茶によく合うお茶は、ズバリ「茎茶」です。地域によっては雁が音(かりがね)と呼んだりもします。ふつうお茶といえばお茶っ葉というように葉の方を使うのが一般的ですが、実は茎ばかりを集めた茎茶の方が「旨味・あま味」が豊富ということご存知でしたか?冷茶を作るとその旨味がとても美味しいんですよ。

 お茶は葉に含まれる苦み成分のカテキンと旨味成分のテアニンのバランスが美味しさのもととなっていますが、テアニンは太陽光に当たるほど光合成を行ってカテキンに変わってしまいます。苦みのカテキンを抑えるためわざわざ葉に覆いをかぶせて太陽光に当てないようにして、逆に旨味を多くするというひと手間かけたのが高級茶葉の「玉露」なんです。ところが茎茶というのは葉がないため苦みのカテキンが少なく、旨味のテアニンばかりが含まれているんです。そんな茎茶を使って冷茶を作ると、苦みが少なく、玉露顔負けのなんとも言えない旨味が凝縮された冷茶ができ上がります。お茶というより出し汁に近いような旨味ですね。エスプレッソならぬ名付けて「お茶プレッソ」というところでしょうか。

 さてそんな茎茶の冷茶の作り方です。500mlくらいの湯冷ましのお水をピッチャーに用意します。茎茶を大さじ4〜5杯分くらいをティーパックに入れ、ピッチャーに入れます。するとティーバックからどんどんとお茶のエキスが水に流れ出していき、ティーバッグが徐々に沈んでいきます。そうしたらピッチャーをそのまま冷蔵庫に入れて、一晩くらい寝かせます。次の日には、美しい黄緑色の冷茶ができ上がっています。濃い緑色でなく、薄い黄緑色が見た目にもきれいです。

 美味しい茎茶の冷茶ができ上がったら、それを携えてお墓参りにお出かけしてみてはいかがですか?お彼岸は過ぎましたが、今の時期がお墓参りには最適な季節かも知れません。墓地公園などは樹木も多く新緑がとても美しいので、ちょっとしたピクニック気分も味わえます。ご先祖様とごいっしょに、心地よいひとときをどうぞお過ごしください。(written by Tetsu)

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